冷蔵庫と子どもの事故

大きな冷蔵庫と子供の事故死

身近な家電、冷蔵庫で起きる悲劇

どこの家庭にもある冷蔵庫。
大人にとっては危険な要素など感じられない、身近な家電です。
しかし、好奇心旺盛な子供にとっては命をも奪う場所になることもあります。
内側から開けられるようになっても、あやまって閉じ込められる事故は、近年でも発生しています。
過去にどのような事故が発生していたのでしょうか。

空き地に放置された冷蔵庫で起こった事故

使わなくなった冷蔵庫を放置してしまったために、子どもが入って窒息死する事故は過去に多くありました。
例えば1967年、大阪市の業者が空き地に業務用冷蔵庫を放置し、遊んでいた小学生1人と保育園児2人が閉じ込められ窒息死する事故が起きています。

現代では考えられないような事故ですが、昭和の頃は家電の放置が相次いでおり、川辺や林、空き地に多く捨てられていました。
そのような光景を見なくなったのは、このような事故も背景に潜んでいたからです。

海外では2016年や2019年にも同じような事故が起きています。
身の回りに使っていない冷蔵庫がある場合は、すぐに処分するようにしてください。
新品の冷蔵庫でニオイ対策のためにしばらく放置しておきたい場合でも、常に注意を怠らないようにしましょう。

内側から開けられるタイプの冷蔵庫でも起こった閉じ込め

1987年8月25日、三重県の水産加工場にあったコンクリート製の冷蔵庫に中学生の男子2人が閉じ込められ、脱水症や酸欠で死亡しました。
この水産加工場は工場跡地という報道もあるため、冷蔵庫の廃棄がまだであった可能性もあります。
いずれにせよ、この冷蔵庫は中から開けられるタイプだったものの、暗くてわからなかったようで、扉をこじ開けようとして2人の指の爪は剥げていたそうです。

業務用タイプでなく一般的な冷蔵庫でも、1988年4月には熊本県阿蘇郡で幼稚園児4人が閉じ込められ窒息死しています。
このような事故は意外と多かったため、中からでも比較的簡単に開けられる、磁気開閉式などの構造になっていきました。

身近な家電だからこそ注意を

痛ましい事故が発生したことで、冷蔵庫の安全性は日々高められていきました。
しかし、白物家電の中でも安全性の進み具合はまちまちです。
実際、2015年にドラム式洗濯機でも閉じ込め事故が起こり、7歳の男の子が帰らぬ人となっています。
安全性を過信せず、日ごろから子どもたちに注意喚起をし、同じような事故を繰り返さない努力をしていきましょう。