冷蔵庫などにについているJISマークってどんなもの?

中古冷蔵庫の内扉のラベル

冷蔵庫の内扉に貼ってあるシールには、冷蔵庫の型番やメーカー名などどともに、JISマークが必ず記載されています。

このJISマークが使われているのは冷蔵庫だけではありません。 JISマークは、ノートやドライヤー、CDなどの身の回りのものはもちろん、オフィス家具や窓のサッシ、マンホールのふたやコンセントなど、あまりじっくり見ないものにも使われています。

JISマークの役割

さまざまなものに使われているJISマークとは一体どのようなものなのでしょうか。

「JIS」とは「Japanese Industrial Standards」の略で、「日本工業規格」という意味です。

日本工業規格は国家規格であり、身の回りの製品の品質の改善や、生産の合理化などを目的として作られました。
中でも、製品の安全性・互換性・品質の確保は、私たちが暮らす上で一番必要な観点です。

安全性の確保

JISにより規格化された製品の安全性は、私たちの命を守ります。例えば、車のシートベルト自体に問題があったら、シートベルトの意味がありません。そのため、安全性をJISにより確保することで、私たちはより安全な生活を送ることができるのです。

互換性の確保

もし、引っ越しの度にコンセントが変わったら、誰も生活していけませんよね。そこでJISがコンセントの互換性を確保します。他にも、工具や自動車のタイヤなどもJISにより規格化され、いろいろなメーカーのものが使えるようになりました。 また、乾電池や電話の数字キーなどは、国際的に標準化され、海外に行っても困らないようになっています。

品質の確保

冷蔵庫や電子レンジなどの家電は、きちんとした品質の確保が必要です。 生活に密着したこれらの機械の性能にバラツキがあると、私たちの生活に安定がなくなります。戦後の混乱期は特に、良い製品を買ったつもりが、見た目だけを真似した使えない商品だった、などと言うことが頻発したため、JISが必要だったのです。

日本工業規格の歴史

JISは、1949年(昭和24年)6月1日に制定された、工業標準化法に基づいて作られました。

戦後の日本は、工業製品を輸出することで発展していましたが、発展を続けるには品質の確保が重要です。 そこで日本では、国をあげて品質向上に注力し、工場の品質管理体制を審議会に審査させました。そして審議会は、合格した工場にJISマークを取得させたのです。

このように、各工場がJISマークを取得することが、技術のレベルアップにもつながり、日本は貿易立国としての立場を築きました。