冷蔵庫の歴史

中古冷蔵庫

冷蔵庫はアメリカで開発された

冷蔵庫がアメリカで開発されたそのとき、日本はまだ江戸時代でした。今回は冷蔵庫の古い歴史を紐解いてみることにしましょう。

1803年

ペリー来航のちょうど50年前である1803年、アメリカの豪農トマス・ムーアが、中のものを氷で冷やす箱を開発します。これは、トマス自身が「refrigerator(冷蔵庫)」と名付けました。このとき使われた「冷蔵庫」という名前は、ご存じの通り後の世にも引き継がれます。そのため、トマス・ムーアが開発した旧来の箱は「icebox(アイスボックス)」と名づけられました。

1834年

アメリカの発明家ジェイコブ・パーキンスが、製氷機を発明します。これが、現在使われている冷蔵庫のルーツです。

1856年

オーストラリアのジェームズ・ハリソンが、圧縮型エーテル冷蔵庫の開発に成功しました。これがビール業界や食肉加工業界を中心に普及したため、この冷蔵庫こそが世界初の実用的な冷蔵庫だと考えられています。当時は電気がないので、この冷蔵庫は石炭ガスで動かしました。

1918年

大正時代に入り、第一次世界大戦が始まります。日本がシベリアに出兵した年である1918年、アメリカのケルビネータ社がバイメタル式サーモスタット付冷蔵庫の製造販売を開始。現代の家庭用冷蔵庫の原型ができあがりました。

日本における冷蔵庫の歴史

1898年(明治31年)の書籍に、「氷箱」で肉や魚を保存したという記載があります。この氷箱が、トマス・ムーアが作った「icebox(アイスボックス)」の日本版と言えるものです。氷箱は大正時代に入ると上段に氷、下段に食材を入れる構造が確立します。しかし、この氷箱も一般家庭ではなかなか普及しません。そのような時代の中、ついに冷蔵庫が輸入されます。

1923年

日本初の電機冷蔵庫を三井物産が輸入開始。

1927年

アメリカのGE社製モータートップ型冷蔵庫を、東京電機(東芝)が、三井物産経由で輸入販売しながら国産化に着手。

1930年

昭和に入って5年たったこの年、国産第1号の家庭用冷蔵庫「SS-1200」が完成しました。そして1933年に、「SS-1200」は家が一軒買えるほどの高値で販売開始されます。

1955年以降

冷蔵庫が一般家庭に普及するのは1955年以降のことで、それまでは次第にシエアを確立した氷箱が主流でした。氷は氷屋から仕入れたため、戦前の東京には数千件の製氷工場がありました。しかし、その氷屋も冷蔵庫の普及とともに姿を消していくのです。