家庭用エアコンと業務用エアコンの違いは何?

家庭用エアコンのリサイクル

エアコンには家庭用と業務用があり、その処分についてはそれぞれ分けて扱われます。
特にエアコンのスクラップについては、「フロン回収・破壊法」で、家庭用と業務用を分けた上で、厳密に定められています。

では、家庭用エアコンと業務用エアコンの違いはどこにあるのでしょうか?
一般家庭でも、業務用エアコンを使う選択肢はあるのでしょうか?
あるとしたらどのような場合でしょうか?
家庭用エアコンと、業務用エアコンの違いを見ながら、一般家庭ではどのような使い方になるのかを検討してみます。

馬力

エアコンの能力(冷房能力)を表す際、特に業務用エアコンでは、その単位に「馬力」が使われることがあります。
8畳用(2.8kw)は、1馬力と換算されます。
家庭用エアコンは高くても3馬力までですが、業務用エアコンの場合、10馬力までモデルがあります。
高馬力のエアコンは、広い場所でも迅速な空調が可能で、かつ機器にそれほど負担がかかりません。
低馬力のエアコンで広い場所に空調を効かせようとする場合、機器に負担がかかり、消費電力が高くなってしまう可能性があります。
一般家庭でも3馬力以上必要な、単純計算で24畳以上の場所がある場合には、業務用エアコンの使用も視野に入れてよいかもしれません。

耐久性

業務用エアコンは、店舗や事務所など、広くて人の出入りが激しい場所で使用されています。
空調の妨げとなる熱源(調理器具、事務用機器、コンピューター)にも、対応しなければいけません。
急激な温度の変化にも対応でき、かつ長時間の稼働が可能なよう、業務用エアコンは家庭用エアコンにくらべて耐久性の高い設計になっています。
業務用エアコンの中でも、ダクトエアコンなど、より耐久性に優れた設計のものもありますが、ダクトを使用するタイプは建設時のビルトインタイプで、家庭用エアコンよりも初期工費が高くなります。

価格

本体価格は、エアコンの性能によってさまざまです。
もちろん、高馬力になると価格は上がりますが、空間に合ったエアコンを選ぶことで、ランニングコストが安くなる場合もあります。
ビルトインタイプの業務用エアコンを取り付ける場合は、初期の工事費用がいくらになるか、このあとに解説する「電源」を引く場合の工事費用などと総合的に考える必要があります。

電源

家庭用と業務用のエアコンは、使用する電源のタイプが大きく違います。
ただ、家庭でも業務用エアコンを使うための電源の工事は可能ですし、結果的に電気代が安く済む場合もあるため、検討の余地はありそうです。
家庭用のエアコンの電源は、一般家庭でよく見るタイプの、縦に2つ穴の空いた「単相100V」です。
業務用のエアコンは、スポットエアコンなどで「単相100V」を使用する場合もありますが、多くは家庭用とは違う「単相200V」「三相200V」という電源が必要になります。
単相200Vや三相200Vの電源は、溶接機など、大きな動力を必要とする場合に用いられる電源です。
基本料金は高いものの、使用料金は単相より安い設定となっています。
広い部屋を長時間にわたり空調する場合は、こういった大きな電力用の電源を使った方が経済的なのです。
例えば、ペット、子ども、高齢者と一緒に暮らしており、建物全体で空調を効かせたいという場合が該当するかもしれません。
新規で三相の電源を引く場合は、電力会社との契約と電気工事が必要となります。

広い部屋を長時間にわたり空調する場合は、三相の電源を使った方が経済的なのです。

室外機の数

家庭用エアコンは1台の室内機に1台の室外機が対応しますが、業務用エアコンの場合は、複数の室内機を1台の室外機に接続できます。

家庭で業務用エアコンを使うなら・・・

エアコンを壁や天井に隠したい場合は、ビルトイン形式の業務用エアコンを導入するのも選択肢の一つです。
建物全体で、長時間空調を利かせ続けたい場合も、多少の初期費用は必要そうですが、最終的にランニングコストでお得になる可能性もありそうです。