テレビの定価はどんどん安くなる?

テレビと価格

ここ数年、高性能テレビの定価が下がっている

日ソニーや東芝、パナソニックやシャープなど、有名メーカーが販売している4Kテレビや有機ELテレビ等の、高性能なテレビの定価が大きく下がっていることをご存知でしょうか?

2015年末には19万円台だった4Kテレビが、2017年末には6万円ほど値下がりして13万円台に。

2017年6月頃、平均して44万5千円ほどだった有機ELテレビは、わずか半年後の2017年末には10万円も値を下げて34万5千円に。 2019年3月には30万円を切り、24~28万円台で店頭に並ぶなど、実に15万円以上も定価が下がっているのです。 有機ELテレビに関していえば、2年前の5~6割程度の価格になっており、その値下がり率はかなり大きなものになっています。

消費者としては、高性能のテレビが安く買えるのは嬉しいところですが、これほどまでに価格が下がってきているのは一体何故なのでしょうか。

有機ELテレビの価格低下の理由は?

有機ELテレビの価格が下がっている理由。それは、製造コストの急激な低下にあります。

現在、55型以上のテレビに使用される大型の有機ELパネルを製造しているのは、韓国のLGディスプレイ1社のみ。ですが、2015年頃から生産効率が上がり、系列会社であるLGエレクトロニクス社にしか供給できていなかったものを他の企業にも販売するようになりました。

2017年にはさらに安定生産できるようになり、供給量が上昇。 多くのテレビメーカーが、より安価で安定的に有機ELディスプレイを調達できるようになったため、それに伴い有機ELテレビの定価もどんどん下がっていった、というわけなのです。

有機ELテレビの今後は?

この数年で価格が急激に下がっている有機ELテレビですが、薄型テレビ市場での販売構成比を見てみると、わずか2%を締める程度。普及しているかと問われれば、まだそれほどでもない……というのが現状です。 しかし、55型で30万円を切る価格となれば、消費者の手にも届きやすく、いわゆる『普及価格帯』に突入したと考えてもいい状況になっています。

有機ELテレビは画質が非常に良く、購入者の声を聞いてみると、その満足度はかなり高め。「価格が高くてもそれに見合う画質と性能が十分にある」と、消費者の高画質を求める声に高度に対応している商品であることは確かなようです。 これから先、さらに供給量が増えて単価が下がっていけば、販売台数も拡大し一気に普及していく、という可能性はかなり高いのではないでしょうか。

ほんの数年前までは、有機ELテレビのような高性能で高画質のテレビが比較的安価に手に入るようになるとはとても考えられませんでした。 ここから数年後には、多くのご家庭のリビングで、美しい映像を映し出す有機ELテレビの姿が見られるようになるのかもしれませんね。