エアコンの引き取り・リサイクル基礎知識
不要になった中古のエアコンは、買取が難しいと判断されるものはどこかに依頼して引き取りしてもらう必要があります。
新しいエアコンを購入する予定がなく「下取り」という形が取れない場合のエアコンの引き取りについてまとめました。
もしも、まだ「売ったら多少の値段はつくかも?」と思っている方は「中古エアコンを買取してもらうには?」を参考にしてください。
買取に出しても値段がつきそうにないエアコンは、家電リサイクル法を守って正しく捨てましょう。
家電リサイクル法で指定されたエアコンは、捨てるのにお金がかかる家電です。捨てるだけなのにお金を払いたくない!という気持ちを利用され、悪徳な業者が暗躍している場合があります。
正しく、そしてできればおトクに捨てるためには、正しい知識を身に付けることが重要です。
この記事の目次
エアコンリサイクル知識
エアコンを捨てるのにできるだけお金をかけたくない心情は、誰しもが抱くものです。だからといってエアコンを山の中に捨てたりはしませんよね。
でも、正しい知識がないとそれと同じことをすることになります。
リサイクル料金が必要な理由、違法な無料回収業者の存在、エアコンの無料引き取りの可能性まで、エアコン処分のために必要な知識をまとめました。
家電リサイクル料金とは?
粗大ゴミで捨てることができないエアコン、捨てるためにはにはどうしてもついてくるのが「家電リサイクル料金」です。
家電リサイクル料金はなぜ必要なのでしょうか?
正しく処分されないと、家電の中に入っているフロンや鉛などが環境汚染の原因になるためです。エアコンの場合も、リサイクルできる金属やレアメタルなどが含まれています。きちんとリサイクルするために、資源を回収する技術が必要です。そのためにはどうしても費用が必要になり、その費用として家電リサイクル料金が「家電リサイクル法」で決められています。
日本国内の主要メーカー(ダイキン・三菱・パナソニック・東芝・サンヨー・LG・富士通・コロナ)のエアコンであれば、リサイクル料は税込で972円です。
972円でないメーカーも当然あります。例えばアイリスオーヤマ・アマダナなどで、税込2041円です。
具体的なリサイクル料金を事前に調べるには、家電リサイクルセンターのサイトでメーカー名などから検索をします。
エアコンの無料回収はなぜ可能?
中古のエアコンを無料で回収してくれる業者がいます。エアコンの中にある金属を売ればお金になるからです。
しかし、リサイクルできる金属をすべて、しっかりと回収するために必要な技術を持っていない業者は、取れる部分だけ取ったあと、解体できない部分を不法投棄することがあり社会問題になりました。またその際、電池やプラスチックなどが火事の原因になることもあります。
本来数千円の費用がかかるはずのものが、無料で回収してもらえるからと言って、不法な回収業者に依頼すると、地球を壊す片棒を担ぐことにもなりかねません。
無料とアナウンスをしながら車で回っている業者は、無許可の営業であるものが多いようです。自治体から「一般廃棄物収集運搬業」の許可をもらう必要があります。ちなみに「産業廃棄物収集運搬業」では家庭で使っていたエアコンの回収はできません。
また、回収無料をうたっていても、実際無料になる条件が非常に厳しいものであることも多いようです。外してみたら不具合を発見したので有料、回収は無料だけど車代が有料、など何か理由をつけてお金を取られてしまう事例も発生しています。
違法なエアコン回収業者を利用しないよう、注意してください。
エアコンの無料引き取りが可能なパターン
取り外し料金や作業料などと差し引きで、エアコンの買取をしてもらった上でトータル無料引き取りになる場合があります。あくまで稼働する中古品のエアコンのみの話です。
この場合は業者に「古物商許可証」が必要になります。
一般的にエアコンが無料で引き取りしてもらえるとすれば、このパターンでしょう。
家電量販店・小売店でのエアコン引き取り
エアコンの引き取りは、家電を売っているお店が有料で受け付けています。
もちろん新しいエアコンを購入していない場合でも、家電を取り扱っている店舗であれば依頼できます。
家電リサイクル法に従って正しく捨てる場合の、もっとも一般的な方法と言えます。
ただし、新しいエアコンの購入がある場合よりも引き取りのための料金は高くなります。
新しいエアコンの購入を行う場合は、「中古エアコンを買取してもらうには?」のページの、下取りについての項目を参照してください。
家電量販店のエアコン収集運搬料金
エアコンを引き取りしてもらう場合の収集運搬料金は、店舗によって異なります。下記にまとめた収集運搬料は、下取りなし(新しいエアコンの購入なし)で、エアコンの回収だけをお願いする場合のものです。
これに家電リサイクル料金(972~2041円)が加わります。
- ヨドバシカメラ 2700円
- ビックカメラ 2500円
- コジマ電気 2700円
- ケーズデンキ 1000円~
- ヤマダ電機 1080円
- エディオン 3240円(店舗持ち込み時は2160円)
指定引き取り場所に持ち込み
エアコンを引き取り(処分)する場合、もっとも費用をかけずに処分できる方法です。自治体のサイトなどで調べて、指定引き取り場所まで運びます。
正しい方法(道具)でエアコンを取り外し、事前に予約して持ち込みます。
自分で運ぶため、人件費などの運搬費用などがかからず「家電リサイクル料金(972~2041円)」のみで廃棄が可能です。
エアコン取り外し料金を無料に…それ間違いかも?!
引き取りでも買取でも、必ずエアコンの「取り外し」作業が発生します。
取り外しの料金を無料にしたいがために自分でエアコンを取り外してしまうというパターンがあります。それは間違いかもしれません。
「ポンプダウン」を行わないことでフロンガスが漏れる原因になることがあります。
正しいポンプダウンの手順を知らずに、エアコンを自分で取り外すのは控えましょう。
買取に出すつもりの場合は、間違った取り外し方法でエアコンが壊れると、買取に出す場合に値段がつくものもつかなくなります。基本的に、動作確認のためにエアコンに通電してから査定します。取り外されているエアコンは買取の対象外ということもあります。買取に出すなら、エアコンが動く状態にしておくことが大切です。
取り外しの方法は心得ていて、買取に出したい場合には、取り外していても買取可能か、事前に買取業者に問い合わせましょう。