エアコンの取り外しの方法と注意点
エアコンの取り外し方と注意点
ここからは買取に出す前にエアコンを自分で取り外したい方のために、取り外しの手順について解説をしていきます。
しかし、エアコンの取り外しはミスも起きやすく、死亡・重症事故も発生しています。
そのため、以下の記事をよく読んで、エアコンの取り外しの際に気をつけるべき点や危険についてしっかり把握してください。
買取に出したいエアコンを自分で取り外すかどうか、注意点を把握したあとに改めて検討し直しましょう。
まず、エアコンを自分で取り外す前の一番の注意点として、すでに取り外されたエアコンは買取の対象外になることがあります。
それはもちろん、買取対象のエアコンに対して、臭いや動作、冷媒(ガス)の回収が適切かどうかの確認ができないからです。
買取対象外とまではいかずとも、取り外し済みのエアコンだと査定額が低くなるところもありますので、先に確認をしてください。
エアコン買取業者の取り外し済エアコンの買取について
- 買取専門店アシスト (外部リンク)https://www.assist001.co.jp/
- エアコン買取王 (外部リンク)https://aircon-kaitoru.jp/
- クリアマックス合同会社 (外部リンク)http://0120987646.com/page306280.html
- 株式会社ACP (外部リンク)http://airconkaitori.sub.jp/cgi-bin/econet/siteup.cgi?category=1&page=0
このように取り外し済みのエアコンを買取してくれるところは少ないと思ってください。
取り外し済みのエアコンを買取不可としている業者の場合は、断られるか家電リサイクル料を支払っての回収になります。
無料での引き取りは家電リサイクル法違反とみなされることがありますので、無料で中古エアコンを渡さないように注意しましょう。
他には取り外し方が間違っていたり、配管の養生ができていなかったり、誤って傷つけてしまった場合も、このエアコンは買取されなくなるでしょう。
リサイクルショップのほとんどが中古エアコンの取り外しも含めた金額になっていたり、取り外しは無料にしているところもありますので、エアコンを買取してもらいたい場合は自分で取り外さないほうが得策です。
そのため、自分でエアコンを取り外してメリットがあるのは、処分のときやそのまま自分で使いたい場合のみだと思ってください。
取り外したエアコンを引っ越し先で自分で使うという場合は、素人が取り付けても大丈夫かどうかを確認してから行ってください。
では、次からはどうしても自分でエアコンを取り外したいという人向けに手順をまとめております。
気をつけるべき点などを事前にチェックしてから行ってください。
エアコンを取り外すときに絶対にやってはいけないこと
中古エアコンを取り外すときに絶対にやってはいけないことは、ポンプダウンが終わる前にナットを緩めたり配管を外すことです。
中古エアコンの取り外しは油断大敵、危険がつきものです。
取り外し業者でさえ、けがの事例が報告されていますので、自分自身でのエアコンの取り外しは、危険も伴っていることを理解しておきましょう。
多く報告されている事故は、室外機のコンプレッサーの破裂によるけがや、エアコン内部の冷媒(フロン類)が漏れる事故です。
これはポンプダウンという作業中に起こりますので、詳しく解説していきましょう。
ポンプダウンとは
室外機にあるコンプレッサーは、エアコン内部と室外機内で冷媒を行き来させています。
簡単に言えばこれこそが冷房の機能です。
そのため、冷媒がないとエアコンをつけても室内の温度は下がりません。
そこでエアコンを取り外すときに冷媒が外に漏れないように室外機の中に閉じ込めておく必要があり、この閉じ込める作業がポンプダウンです。
ポンプダウンを含めた詳しい方法は「エアコン取り外しの手順」で解説しますが、このポンプダウンの最中に配管のナットを緩めてしまうことで事故が起きています。
エアコンの配管のナットを緩めるということは、配管の中に空気を入れるということです。
するとコンプレッサー内部は非常に熱いため、潤滑油(冷凍機油)が発火し、爆発してしまったり、逆に冷媒が漏れたりもします。
これを防ぐには、ポンプダウンが終わるまでナットを緩めたり配管を外さなければ良いだけです。
しっかり3分待てばポンプダウンは終わります。
そのため、時間で確認するのが一番簡単で確かです。
ポンプダウン時の注意
インターネット上でエアコンのポンプダウンについて、音で確認する方法が紹介されていることがあります。
プシューという音が連続しているか否かや、音の違いで判断するようですが、これでは明確とは言えません。
音を聞いてポンプダウンが不十分と判断し、再度ポンプダウンを繰り返したことで爆発した事例も報告されています。
音だけでは空気を吸い込んだのか、冷媒が出ていったのかの判断ができませんので音での判断はしない方が良いでしょう。
もちろんエアコンの配管を外すときは、ポンプダウンがきちんとできていても多少の音はしますので安心してください。
もしも、エアコンの配管に亀裂が入っていればもっと危険です。
しかしそれは冷えないエアコンということですので、冷房の効かない中古エアコンの場合はポンプダウンをしないようにしてください。
エアコン取り外しに必要な工具
中古エアコンの取り外しに必要な工具について、順番に解説します。
解説ではホームセンターで購入する場合の価格の目安を記載していますが、100円均一で揃えることも可能です。
しかしその場合は、強度などがなくなる可能性もありますので、注意をしてください。
モンキーレンチ
900円代から4万円まで非常に色々な種類がありますが、安いもので大丈夫です。
ご自分の手に合った、使いやすいものを選びましょう。
また、モンキーレンチが2本あると支える方と取り外す方の両方にしっかりと力をかけられるため、作業が行いやすくなります。
プラスドライバー
こちらも200円代から1万円代まで様々ですが、シンプルなもので問題ありません。
プラスドライバーは、外に置いてあるエアコン室外機の側面カバーを外すために使用します。
もしエアコン室外機が手が届きにくいなどがあるようでしたら、長さや形などにこだわる必要が出てきますので、買う前に室外機の状態(ねじ部分の壁からの距離など)を確認してください。
ニッパー
200円代から2万円代までまちまちですが、こちらも手ごろなもので結構です。
ただ、できれば大きめのもので、エアコン配管を切断できるものが良いでしょう。
六角レンチ
ねじのサイズが判っていれば1本200円代で購入できます。
セット販売されているものでも400円代で購入できますので、サイズが不明な場合はこちらを買っておけば確実でしょう。
カッター
70円代から手に入りますが、エアコン配管周りの非粘着テープを切り裂くために使います。
安いカッターだと危険を感じる場合は、ねじロックつきの100円代から販売されているタイプのものを使いましょう。
パテ
「エアコン配管用」のパテで、エアコンを取り外したあと、配管部分の穴を塞ぐために使います。
ホームセンターで400円から600円ほどです。
ゴミ袋
片付けのときにあると便利です。
大き目のものを選びましょう。
ビニールテープ
取り外し後のエアコン配線などが長くなると移動の際に邪魔ですので、取りまとめるために使います。数十円で購入できるもので大丈夫です。
他にはエアコンに届くような脚立も必要です。
また、気になる場合は軍手を使いましょう。
エアコン取り外しの手順
エアコンの取り外しについて、順に解説していきます。
エアコンは、自分で取り外してしまうと買取不可になる業者も多くあります。エアコンを取り外しても買取可能な業者に依頼する場合のみ、自己責任で行ってください。
エアコン取り外し➀室外機の中のバルブキャップを外す
まずはじめに、エアコン室外機側面にカバーがついていますので、プラスドライバーを使いながら割らないように外します。
ねじは見失わないよう、取っておきます。
エアコン室外機を覗くと、バルブキャップのついた2本の銅管があり、それぞれモンキーレンチを使って外します。
太さの違う2本のバルブキャップを両方とも外しますが、なくさないようにしてください。
また、バルブキャップの側にナットがありますが、このナットは外さないようにしましょう。
エアコン取り外し➁ポンプダウン
エアコン取り外しのメインとも言える、ポンプダウンを行います。
エアコンの冷房をつけますが、冬の間など寒い時期は強制冷房運転が必要です。
強制冷房運転を行うためのスイッチはエアコン本体にありますが、機種によって場所が違います。説明書などで確認してください。
エアコンの冷房を作動させると、室外機のファンが動きだします。
先程キャップを外した2本のバルブのうち、細いほうのバルブを六角レンチで右回しで締めてください。
この細いほうのバルブが送り側、太いほうがガスの戻っていく側です。
ガスを閉じ込めたいため、細いほうのバルブを締めれば室外機にたまります。
このとき締め方が緩いと、ガス(冷媒)漏れしますので注意をしましょう。
このまま3分待って、エアコン室外機に冷媒を溜めたら、太い銅管のバルブを六角レンチで右回しに締めましょう。
この戻り側である太いほうのバルブを閉じることでポンプダウン終了です。
冷房運転を停止し、エアコン室内機のコンセントを抜きます。
室外機に戻り、初めに外したバルブキャップを締めましょう。
このときも締めが緩いとエアコンからガス漏れしますので、注意をしてください。
また、ポンプダウンの3分が経つ前に配管を外したり、ナットを緩めたりしないでください。
エアコン取り外し➂銅管の取り外し
次は室外機の2本ある銅管を外します。
2本の銅管がそれぞれどこと繋がっているか観察してみてください。
まずは室外機~銅管のつなぎ目にあるナットを外しますが、この時モンキーレンチが2本あると便利です。
片方を押さえて、もう一方のナットを緩めます。
もし銅管やナットの部分にテープが巻かれている場合は、先にカッターでテープを切ってからナット取り外しを行ってください。
室外機~銅管のナットが外せたら、エアコン~銅管のつなぎ目にあるナットも同じように取り外してください。
(ナットを外さなくても移動はできますが、その場合は配管が長くなりますので取りまとめるようにしましょう)
エアコン取り外し④配線を外す
次はエアコン配線に取り掛かります。
最初の、室外機の側面カバーを外したところに、配線カバーもついています。
これもプラスドライバーで外し、3本ある配線を全て抜いてください。
エアコンの買取・移動でなく、処分する場合は使えなくなっても構わないため、配線を切っても大丈夫です。
エアコンのコンセントをつけたままで作業をすると、漏電や感電の恐れがありますので、必ず先に抜くように気をつけましょう。
配線を全て抜いたらカバーを元に戻します。
エアコン取り外し⑤室外機を取り外す
続いて室外機を台座(架台)から外す作業です。
ボルトやナットなどで取り付けてあるので、モンキーレンチやドライバーを使って室外機を外していきます。
家庭用でも、エアコンの室外機は一般の人が思っている以上に重たく、指を挟んだりする危険もありますので、できれば2人以上で行いましょう。
取り外した室外機は、近年盗難被害も報告されていますので、外したあとは置き場所に注意をしてください。
エアコン取り外し⑥室内機本体を取り外す
次はようやくエアコン室内機本体の取り外しです。
まずは室内機から外に繋がっているものをすべて目視で確認します。
銅管や配管にカバーがついていたら、ドライバーなどで外しましょう。
壁の穴にパテがついていたら、これも取ってください。
そして、銅管や配管、そして排水ドレーンもずるずると引っ張って抜きます。
外で排水ドレーンが動かなくて、下水に直接つながっているような場合は、施工会社や管理会社に相談してから行ってください。
ここまでのことが終了したら、エアコン本体を取り外します。
エアコンは壁につけてある板に引っ掛けてあるだけなので、工具は必要ありません。
エアコン本体を下から、垂直に(壁と並行に)上に向かって持ち上げるようにするだけで外れますが、こちらも重いのと高さもありますので十分気をつけてください。
また、エアコン内からの結露や、埃にも注意をしましょう。
エアコン取り外し⑦据付板を取り外す
もうまもなくエアコンの取り外しも終了ですが、エアコン室内機本体が外れると、壁に金属の板(据付板)があります。
壁に付けられたエアコン据付板は、プラスドライバーを使って外していきます。
長年お世話になったエアコンが取り外されると、そこには穴だけが空いている状態になるので、エアコン配管用のパテでしっかりと埋めましょう。
移動させやすいように銅管や配線など長くなっているものは、丸めてからビニールテープでまとめます。
取り外した中古のエアコンを引き続き使用する場合や買い取りに出す場合は、ごみや水が入らないように配管の接続部分をテープで養生し、塞いでおきましょう。