家庭用中古エアコンをスクラップに出してはいけない
リユースできないエアコンの買取はされない
冷房・暖房が効かないなど、壊れたエアコンの買取は基本的にできません。
家電リサイクル法にのっとって、正しく処分しましょう。
年式が古い、通電しない、破損している、またはリコール対象商品であるなどのエアコンについては、そもそもリユース品としての市場価値が認められません。
環境省はこれらを買取に出さずに、家電リサイクル法にのっとって処分することを推奨しています。
仮に買取店に見積りに出しても、引き取り不可となるか、またはリサイクル料を支払っての処分になります。
まれに、0円で引き取りや、数百円で買取を行う業者がありますが、これは正しく処分されない可能性があるため、依頼すべきではありません。
家庭用エアコンの処分は、フロン処理などを含め手順が厳しく定められています。
処分のルールをしっかり守っている業者は、リユースできない中古エアコンを引き取る場合には必ず費用がかかる=買取はマイナス査定になるはずなのです。
次に紹介するのは、故障の症状のあるエアコンの買取見積りを依頼した場合の買取店の回答です。(調査方法:電話・メールにて見積もり依頼)
壊れている中古エアコンは、買取に出しても値段がつかないのが基本です。
壊れている中古エアコンは、基本的にはリサイクル料金を支払っての引き取り処分と思っておくべきです。
表の中では買取店Eが無料で引き取りしてくれるとのことで、ついこの業者に依頼したくなってしまうでしょう。
しかし家電の0円での引き取りは、「買取」とは認められておらず、「廃棄物の処分」とみなされるため、買取業者に「一般廃棄物収集運搬許可」が必要になります。
「壊れているエアコンでも買取!」とうたっている買取業者を利用する場合は、「一般廃棄物収集運搬許可」を持っているかをサイトなどで確認してください。
「一般廃棄物収集運搬許可」を持っているとしても、正しく処分するには費用がかかるはずです。
E店のような業者の場合は、「できるだけお金をかけずに処分したい」という消費者の気持ちを利用して、不適切な処理を行う可能性があります。
エアコンの故障の度合いが軽ければ、買取される場合もありますが、電源が全く入らない(動作確認が取れない)中古エアコンは、環境保護のためにリサイクルに出しましょう。
買取してもらえない中古エアコンをスクラップに出してはいけない
中古のエアコンをスクラップとして売れば多少のお金になるかもしれない、と考えた人もいるかもしれません。
「家庭用」エアコンをスクラップ(鉄くず)として売る行為は、かなりのグレーゾーンと言えます。
実際に、家庭用エアコンをスクラップとして買う業者も存在していますが、行政では不法な処理を行っていると見ています。
詳しい理由は後述していますが、「業務用」エアコンはフロン回収済の場合に限って、スクラップ買取が可能です。
家庭用エアコン・業務用エアコンそれぞれのスクラップ事情とはどんなものでしょうか。
家庭用エアコンのスクラップ買取に値段はつかない
中古エアコンは次の3種類のどれに該当するかによって、取り扱いが変わります。
- (1)リユース品(中古稼働品)
- (2)廃棄物
- (3)有害使用済機器
(1)は、リサイクルショップでの買取です。
家庭用エアコンがリユース品として稼働しない場合、(2)廃棄物、(3)有害使用済機器のどちらかになります。
捨てる場合は(2)の廃棄物として扱い、家電リサイクル法に従った方法で処分します。
家庭用エアコンは「廃棄物としての買取」はできません。
家庭用エアコンをスクラップとして売る場合、(3)の有害使用済機器として扱われます。
有害使用済機器とは?
「本来の用途での使用が終了しており、リユース品ではないこと」。
そして「有害使用済機器の保管等に関するガイドライン」によって政令対象品目に指定されている家電であること。
冷蔵庫・洗濯機・テレビほか、ミシンやカメラ、こたつなど三十二の品目が指定されており、家庭用エアコンも含まれています。
「有害使用済機器」と判定された場合に限って、許可を受けた業者のみが、内部で使われている金属など、原材料として価値のあるもののスクラップ買取が可能です。
有害使用済機器のスクラップ買取とは?
「有害使用済機器」のスクラップの買取ができる業者は、有害使用済機器の保管・処分の許可を得た業者のみです。
この「有害使用済機器」の処分や保管の基準は、非常に厳しく設定されています。
環境保護のための厳しい基準をクリアした処分方法・保管方法を守ると、家庭用エアコンに対してスクラップ買取の価格が発生することはまずないと言っていいでしょう。
エアコンを解体して部品取りしようとしても、家電リサイクル料に相当する金額を徴収しないと、正しい処理はできないものなのです。
家庭用エアコンをスクラップとして買取に出すことは、環境破壊に繋がると心得ましょう。
家庭用エアコンのスクラップが原因で発生する社会的な問題
家電のスクラップの取り扱いは非常に難しく、社会的な問題が今もなお多発しています。
スクラップの適切でない取り扱いによって、人の健康や生活環境への被害が発生し、その問題を解決するために、この「有害使用済機器」に関するガイドラインが施行されました。
近年、有害物質を含む使用済みの電気電子機器等がその他の金属スクラップ等と混合された状態(いわゆる雑品スクラップ)の保管又は処分が、環境保全措置が十分に講じられないまま行われることにより、国内における火災の発生を含めた生活環境保全上の支障が指摘されています。
引用元:環境省
家電リサイクル料を払わずに済む!という誘惑に負けて、適切でない処理を行う業者にエアコンを引き渡そうとしていませんか?
買取業者に買い取ってもらえない中古の家庭用エアコンは、家電リサイクル料金を払って処分しなければいけません。
日本の主要メーカーのエアコンリサイクル料は972円ですが、どうしても支払えない場合、エアコンとして再利用してもらえる事がわかる範囲で誰かに譲る、下取りに出すなど責任のある処分を行いましょう。
正しく、だけどできるだけおトクに捨てるための基礎知識は、「エアコンの引き取り・回収のために必要な基礎知識【エアコンのリサイクル】」でまとめています。
業務用エアコンのスクラップは「フロン回収・破壊法」を遵守しての買取
エアコンは家庭用エアコンとは違い、(3)の有害使用済機器にはなりません。
業務用エアコンは、(2)の廃棄物としての買取が可能になるケースがあります。
業務用エアコンが、廃棄物としてスクラップ買取をしてもらえるのは「フロン回収済みの業務用エアコン」である場合です。
フロン回収・破壊法に沿って、業務用エアコンからフロンガスの適切な廃棄を行った上で初めてスクラップ買取が可能になります。
フロンが入っているものを引き取り、自らフロンを回収できるのは都
道府県に登録している回収業者だけです
引用元:フロン回収・破壊法ガイドブック
業務用エアコンのフロン回収は、行政から許可を受けた正規の業者に依頼、または、取次を請け負っている業者に依頼することになります。
もしも、法律を守っていない業者に依頼してしまった場合には、依頼した側も処罰の対象になることもありますので注意しましょう。
「業務用として使用していた」と主張しても、エアコンの仕様が書かれたシールに商品名として「家庭用」や「ルームエアコン」と書かれていればそれは「家庭用エアコン」です。